「介護施設の新しい取り組み!地域に開かれたホテル&書道教室」

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介護施設で過ごす時間が長くなると、それまで暮らしてきた地域とのつながりが薄れやすいとされます。でも、何らかの役割を担ったり、地域の人たちと交流したりできる「開かれた」施設なら、楽しい出会いもありそうです。そんな場所を作ろうという試みを取材しました。(田中文香)

到着した宿泊客を「いらっしゃい」と笑顔で迎えた、施設利用者の女性(右)(9月23日、広島県尾道市で)

「どちらからいらっしゃったの?」「福井県です」

広島県尾道市にある「尾道のおばあちゃんとわたくしホテル」。旅行で訪れた保育士の下中歩未さん(27)と会社員の岡里帆子さん(26)を、80代の女性が笑顔で迎えた。

昨年にオープンした客室3室の同ホテルは、認知症ケアに特化した施設などを展開する株式会社「ゆず」が運営している。同じ敷地内に、介護施設「ゆずっこホームみなり」があり、通いや泊まりで利用する高齢者が、ホテルの宿泊客をもてなす役割の一端を担っているのが特色だ。

到着した宿泊客は、まず、チェックインの手続きで、ホテルの受付も兼ねている介護施設の「サロン」にやってくる。下中さんらを出迎えた女性も、ふだんはおやつ作りや体操をしたり、歌番組を見たりして過ごしているが、予約した客が訪れると職員と一緒に応対に出る。チェックアウトの時は、姿が見えなくなるまで手を振って見送る。

宿泊客との会話も、ここでの楽しみの一つだ。「職員一同、優しくて親切ですから、何かあればおっしゃってくださいね」。部屋の鍵を渡しながら、女性はほほえんだ。

SNSで見かけ、おしゃれな空間に魅力を感じて宿泊先にこのホテルを選んだという2人。岡さんは「おばあちゃんの笑顔で、こちらも幸せな気持ちになった」と笑った。

通常、介護施設に出入りする人は、利用する高齢者と、ケアを担う職員に限られがちだ。そんな施設と社会との垣根を取り除きたい、という思いが、「同じ敷地内にある介護施設とホテル」という発想につながった。「ゆず」の川原奨二代表(45)は「介護や、認知症になじみのない人に、『楽しそう、行ってみたい』と思ってもらえるような場所を作りたかった」と話す。

自分が介護が必要になった時に居たいと思える施設かどうか、大切な友人に自信を持って滞在を勧められるか。そんな点も考えながら介護施設やホテルをデザインした。

施設のサロンやリビングの大きな窓ガラスから、ホテルとの間にある広場や路地がよく見える。施設で過ごしている高齢者と、宿泊客や地域の人が自然に接点を持てるように設計されている。

「都会での生活に疲れた旅行者も、隣り合う施設のおじいちゃん、おばあちゃんたちと同じように、ゆっくりと過ごしてほしい」。そんな思いも込めたという。

隣にホテルがあることで、施設を利用する高齢者らの活躍の場が広がる。

宿泊客のために用意しているデニム地のパジャマには、手作業でオリジナルのタグを付けた。ホテルと施設で共有する庭の木々は、かつて造園関係の仕事をしていた利用者が手入れをしている。宿泊客の将棋の相手を務めたり、一緒に散歩をしたりといった交流も検討しているという。

代表の川原さんは「年を重ね、介護サービスや施設の利用が必要になっても、様々な世代と関わることによって、生きがいや役割が生まれる。暮らしの中で、互いに助けたり、助けられたりするきっかけづくりをしたい」と話す。

近所の子どもの遊び場

様々な事業所が共通の通路でゆるやかにつながる「春日台センターセンター」

グループホームで暮らす認知症の高齢者の視線の先で、近所の子どもたちが走り回って遊んでいる。介護施設に通ってきた高齢者のそばで、地域の人たちが揚げたてのコロッケを食べながらひと休みーー。

昨年春、神奈川県愛川町にオープンした「春日台センターセンター」は、様々な用途の建物が互いに行ったり来たりしやすく作られている。

介護施設のほか、子どもたちが宿題やゲームをするなど自由に使える部屋や、障害がある子どもが放課後や休日を過ごしにやってくる場所もある。人気のコロッケを売る店舗やコインランドリーでは障害がある人が働いている。思い思いに過ごせる小上がりには、いつも誰かがいる。

この複合施設を運営する社会福祉法人「愛川舜寿会」の馬場拓也理事長(47)は「お年寄りや障害がある人、子どもたちが、一緒に過ごせる仕掛けを作りたかった」と話す。

グループホームで暮らす高齢者とここを遊び場にする子どもが、名前で呼び合う関係も生まれたという。

それぞれの建物は共通の通路で緩やかにつながり、「玄関」の代わりに、利用者や地域の人が気軽に出入りできる「勝手口」がたくさん設けられている。大きな窓やガラス戸から中と外の様子が互いによく見える環境も、交流を後押しする。

少し変わった名前は、かつて地域の人に親しまれていたスーパー「春日台センター」が由来。その広い跡地を活用した複合施設を作るにあたって、「もう一度、ここを地域の中心にしたい」との思いを込め、二つ目の「センター」を付けたという。

小学1年の息子(6)とよく遊びに来るという井手歩さん(38)は「おばあちゃん、おじいちゃんたちが『かわいいね』と声をかけてくれる。職員さんたちが気にかけてくれるのもありがたい」と目を細める。

グループホームで暮らす80代の女性は、遊びに来る子どもとおしゃべりをすることがある。「子どもたちが来るとにぎやかだし、かわいい。楽しく過ごしていますよ」と話した。

神奈川の介護施設 敷地の壁 まず撤去 見た目からオープンに

「あおいけあ」代表の加藤忠相さん

神奈川県藤沢市で地域に開かれた介護施設づくりに取り組んできた「あおいけあ」代表の加藤忠相さん(49)に聞いた。

まずは、外から見てオープンな状態にしないと、誰も立ち寄ってくれません。

2006年に、高齢者が通いや泊まりなどで利用する「小規模多機能型居宅介護」の事業所を始める際に、敷地を囲む壁を壊してみたのが最初です。通勤や通学の近道になることがわかった地域の人たちが、庭を通り抜けるようになりました。

庭には木登りができる大きな木があり、施設は、屋根の上のスペースに上がって遊べる設計です。玄関近くには漫画本を置きました。施設の2階で開かれる書道教室には、子どもを中心に130人が通ってきます。

子どもたちが立ち寄れば、親も迎えに来る。施設を開いたことで、にぎやかになりました。

子どもや大人がいつでも立ち寄れる場所にしていると、いろいろなことが起こります。

私たちの施設では、お年寄りがご飯の準備など、できることをやっています。よく遊びに来ていた不登校の子は、施設のおばあちゃんに大掃除の仕方を教わっていました。その子は「将来、ここで働きたい」と最近、ヘルパーの資格を取りました。

施設の夏祭りでは、藍染めのTシャツなど手作りの小物を並べたお年寄りたちの店を、子どもたちが手伝いました。「次は自分たちも」と小物を作り始めた子どもたちが、自分たちで学校にお願いして祭りのポスターを貼りに行く。こうした交流の経験を通じて、子どもたちも、「年をとるのはすてきなことだ」と感じていると思います。

施設で暮らしているお年寄りが「家に帰りたい」と言って出て行こうとする、という話を聞くことがあります。でも、それは、周りが手を出しすぎて、やることがなくなってしまっているからではないでしょうか。

開かれた施設で、お年寄りが「自分は頼りにされている」と自然に思えるような環境なら、きっと「ここに居たい」と感じてもらえるはずです。

まとめ

介護施設とホテルが連携し、利用者や地域
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