子どもが受ける予防接種のうち、日本脳炎ワクチンについて、一部の世代の最大約200万人に接種漏れが懸念されている。麻疹（はしか）・風疹の混合（MR）ワクチンも国が目標に掲げる接種率を下回っている。入園・入学で子どもたちが新たに集団生活を始める4月を前に、国などは3月1～7日を「子ども予防接種週間」と定め、保護者に予防接種への関心を高めてもらい、接種漏れがないかの確認や接種を呼びかけている。
日本脳炎は、ウイルスを持つ蚊を通じて感染する。高熱や頭痛、嘔吐（おうと）などの症状がある。感染した1千人に1人が発症し、発症すると20～40%が亡くなり、生存した45～70%に神経系の後遺症が残るとされる。
ワクチン接種で予防できることから、定期接種の対象となっている。標準的な接種スケジュールは、3歳で2回、4歳で1回、9歳で1回の計4回となっている。
ワクチンを製造する阪大微生物病研究会（大阪府吹田市）の製造工程で、不純物が生じ、ワクチン製造が一時中止に。2021年の出荷量が減り、同年度のワクチンが供給不足となった。
このため、厚生労働省は自治体に1、2回目接種を優先するよう通知。自治体は21年度に3～4回目接種対象者への案内を見送った。対象だったのは、現在の年長（17年度生まれ）と小学5年生（12年度生まれ）相当の子どもだった。
供給量が回復した22年度に、これらの子どもたちに案内が送られたが、接種が進んでいないと懸念されている。医療機関に納入されたワクチン量から換算すると、最大で約200万人の未接種者がいる可能性があるという。
まとめ
日本脳炎ワクチンの接種漏れが懸念される中、子どもたちの健康を守るためにも、保護者の皆さんは接種の重要性を再確認し、予防接種の受け漏れがないかを確認してください。
FAQ
Q:日本脳炎ワクチンの副作用はありますか？
A:一般に、軽度の発熱や注射部位の痛み、発赤が報告されることがありますが、重篤な副作用は稀です。接種前に医師に相談することをお勧めします。