「赤ちゃんのうんちから見る食生活の影響!妊娠中の食事がアレルギーに与える影響とは?」

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[ad_1]マイクロバイオータの研究最前線

マイクロバイオータの研究最前線

1歳の赤ちゃんのうんちの中に、主に腸内細菌が生成する酪酸やプロピオン酸といった成分が多く含まれると、その後、6歳までにアレルギーになるリスクの低いことがヨーロッパの研究チームの調査でわかりました。

研究チームはオーストリアとフィンランド、フランス、ドイツ、スイスの5カ国の、都市部ではなく地方に住む赤ちゃん1133人について、胎児期には母親の食事、誕生後は子どもの食事やアレルギーの有無などを6歳になるまで継続して調べました。そのうちの301人について、1歳の時の大便を解析すると同時に、6歳になった時の血液を分析して、卵や花粉、ピーナツ、小麦粉、イヌなど複数の物質に対してアレルギー反応があるかどうかも調べました。

研究チームが大便の解析で調べたのは、「短鎖脂肪酸」という成分です。短鎖脂肪酸には様々な働きがありますが、そのうちの一つとして、炎症を抑える効果が知られています。

短鎖脂肪酸はバターやヨーグルトといった乳製品にも含まれますが、主には食事に含まれていた食物繊維を腸内細菌が発酵させることで生成されます。

その結果、便中の酪酸の濃度が高かった子どもは、すべてのアレルギーの発症頻度が低いことがわかりました。プロピオン酸の濃度が高い子どもは喘息の発症頻度が低い傾向でした。

(医学誌アレルギー「Highlevelsofbutyrateandpropionateinearlylifeareassociatedwithprotectionagainstatopy」(2019年)より)
注:アレルギー反応の有無を調べたのはハウスダストに含まれるダニや、花粉症の原因になる草木やその花粉、ライ麦、ネコ、イヌ、ウマ、卵、牛乳、ピーナツ、ヘーゼルナッツ、ニンジン、小麦粉など。医学誌アレルギー「Highlevelsofbutyrateandpropionateinearlylifeareassociatedwithprotectionagainstatopy」(2019年)より

酪酸やプロピオン酸といった短鎖脂肪酸は、免疫細胞の一種、「制御性T細胞」を増やす作用があるとされています。制御性T細胞は、免疫が過剰に働かないように制御し、免疫が適度に働くようコントロールする役割を担っています。アレルギーは、有害ではないので本来なら反応しなくてもいい物質に対して免疫が過剰に働くことで起きます。

研究チームは、1歳児の大便中の短鎖脂肪酸の濃度と、1歳までの食事内容に相関関係があるかどうかも調べました。1歳までにヨーグルトや魚、野菜か果物を食べたことのある子どもの方が、酪酸の濃度が高い傾向がみられました。

かつて、生まれてくる子どもの食物アレルギーを予防するために、妊娠中には卵などアレルギーの原因になりやすい食品を控えた方がいいと考えられた時期もありました。しかし現在では、その考え方は否定されています。

妊娠中にヨーグルトや野菜を多く、フライドポテトや赤肉などを控えめに食べると、生まれてくる子どもアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、喘息、喘鳴のリスクを下げることができるかもしれません。医学誌アレルギー「Thematernaldietindexinpregnancyisassociatedwithoffspringallergicdiseases:theHealthyStartstudy」(2022年)より

今後、さらなる研究が必要ですが、乳児期や胎児期から、赤ちゃんや母親の食事を工夫することで、子どものアレルギーの発症を減らすことができる時代がくるかもしれません。

まとめ

マイクロバイオータの研究を紹介しました。赤ちゃんの1歳時のうんちの成分とその後のアレルギー発症の関係や、母親の妊娠中の食事と子どものアレルギーの関係について、最新の研究結果をまとめました。

FAQ

1.どのような食事が子どものアレルギーを予防するのか?

1歳児の大便中に含まれる短鎖脂肪酸、とくに酪酸とプロピオン酸の濃度が高いと、アレルギーのリスクが低くなることがわかっています。したがって、食事の中でこれらの成分を摂取することが重要です。


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