私の娘が1歳になった。彼女を産んだ日から365日。私たちは一緒に乳児期を乗り越え、どうにか幼児期を迎えることができた。これからは生まれてからの長さを週や月ではなく、“年”で数えていくことになる。この先彼女がどうやって成長していくのかも、その片鱗が見え始めてきた。歩けるようになり、「ママ」と言えるようになり、ベビーカップが空だとかんしゃくを起こすようになる。階段だって、私が思うよりずっと早く上ることができるようになる。
産後8週間目でシングルマザーになったとき、私は将来がとても怖かった。どうやってやっていけばいいのか見当もつかなかった。でも、なんとかなってきた──いや、「なんとかしてきた」のだ。親としての最初の1年は、人それぞれ異なるもの。でももし、あなたが私と同じ立場にいるのなら、私からのアドバイスを受け取ってほしい。
1.自分の味方を作る
すべてを自分でやろうとするのは不可能だ。あなたが幸せでなければ、赤ちゃんも幸せになれない。赤ちゃんを起こさないようにと代わりに小包を受け取ってくれる近所の人(ようやく寝かしつけたときに配達のインターホンが鳴るのはあるある)、あなたが歯医者に行く間に赤ちゃんを1時間だけ見てくれるプレイグループで知り合った友人など、救いの手を差し伸べてくれる人がいるのなら、誰に頼ってもいい。残り物のおすそ分けでも家事の手伝いでもありがたく申し出を受け、決して調子に乗らないこと。
2.知ったかぶりをされる覚悟を持つ
「夫はめちゃくちゃ働いているから、私も基本的にシングルマザーのようなもの」といったようなセリフは聞き慣れただろうし、笑顔でうなずきながら飲み込むこともできるかもしれない。でも、同じにされるのは困る。それには数え切れないほどの理由があるが、少なくともそう言う彼女たちのパートナーはいつかは家に帰ってくるというのが最大の違いだ。
3.スマホ育児に問題なし
「自分の子どもにiPadは持たせない」なんて、一度は考えたかもしれない。しかし、食器を片付けたり、コーヒーを淹れたり、シャワーを浴びたりするための5分がどうしても必要なときがある。泣き叫びながら後をついてまわられたり、抱っこをせがまれることのない静かな時間のためには、デジタルデバイスを利用したっていい。
4.喜びを分かち合える相手がいないのはつらいもの
もちろん、保育園のお迎えや看病など、日々の育児を分担できないのは疲れる。しかし、私が予想していなかったのは、喜びの瞬間や重要な節目を一緒に分かち合える人がいないことがどれほどつらいかということ。娘が寝静まったあと、その成長がどんなにすごいことなのかを語り合える相手がいないからといって、友達を退屈させるわけにはいかないから……。
5.お酒の飲み過ぎに注意
あなたがちょっと飲み過ぎた夜に限って、それまでずっと毎晩ぐっすり眠っていた赤ちゃんが突然、45分おきに目を覚ますことになる。
6.引きこもらないで
パートナーが赤ちゃんの面倒を見ている間、女友達と出かけるような夜もあると思い描いていたかもしれない。あいにく、実際にはそうはならなかった。でもひとり親だからといって、社交の場から遠ざかることはない。むしろ、赤ちゃんと一緒にできることを考えればいいのだ。誕生日パーティーやブランチなど、小さな子どもを連れて出かけることは十分にできる。おむつ、予備の洋服、おしりふき、スナック、ミルク、おもちゃを常に用意しておくこと。子どもがどれだけ社交的に育つかに驚くはずだ。それに、友人だってあなたに会えてうれしいはず。また、子どもがいるというのは、いつでも好きなときにその場を去る口実にもなる。
7.大人の時間を過ごす相手は慎重に選ぶ
とはいえ、ひとりになりたいときもあるだろう。特に、思い切りはしゃぎたいのであれば、お祝いの席や女子会なんかがいいかもしれない。小さな子どもと離れる時間は貴重なものなので、その時間を価値のない人や何かのために無駄にしないことが大切だ。これはデートにも言えることで、相手にこだわるのは当然の権利。自分がやりたくないことには「ノー」と言えるようになる必要がある。背伸びをする意味はまったくないし、結局は誰も得をしない。
8.あなたはまだまだ魅力的
パートナーと別れたとき、私は一生独身生活を送ることになると思っていた。しかしそれは私の思い違いで、さほど大きな問題ではないことがわかってきた。30代半ばから後半になる頃には、結婚の失敗であれ、子どもの一人や二人であれ、大半の人が何らかのお荷物を背負っている。大局的に見ればどうだろう?子どもがいるというのは、実際にはかなりいいお荷物だ。ただ、もしこれから誰かと新しい関係をスタートさせるのであれば、最初から子どもがいることを率直に話し、将来に関して近しい価値観を共有できる相手であるかどうかを確認すること。
9.体調不良のときは想像以上に大変
例えばの話。あなたがノロウイルスにかかり、赤ちゃんを起こさないようにできるだけ静かにしているところを思い浮かべてほしい。どうしても起こしてしまったときは、胃がキリキリと痛む中、嘔吐が再び始まる前に抱っこしながら寝かしつけなければならない。でも翌日、赤ちゃんは「ママはとても疲れているから休ませてあげなきゃ」なんて考えてはくれない。むしろ執拗に遊びたがり、昼寝はたった30分だけしかしてくれない。
10.持つべきはママ友
娘を産む前の私は、わざわざ新しい「ママ友」グループなんて作らなくてもいいと思っていた。ただ子育てをしていることくらいしか共通点がないと思っていたから。しかしそれは私の間違い。ママ友は必要だ。もちろん昔からの友人も大切にすべきだが、同じ時期に同じ経験をした親同士には特別な絆がある。アドバイスを求めてもいいし、ただ愚痴をこぼすだけでもいい。それに、家から出て、子どもと何かしたいときにも頼りになる。
11.人はあなたが思っているほど批判的ではない
見知らぬ人に自分がシングルマザーであることを話さなければならないことが何度かあったが、人々の優しさと寛大さに圧倒されることもあった。それは自分が思っている以上によくあること。シングルマザーであることを、恥じる必要は全くない。
Text:RebeccaCope Adaptation:MotokoFujita
FromVOGUE.CO.UK