乳児の頭の形を矯正するヘルメット
赤ちゃんの就寝癖に伴う頭のゆがみ、島根大病院が原因を調査し改善策を提案
気になる点があれば早期の相談を呼びかける君和田友美・小児脳神経疾患治療センター長=出雲市塩冶町、島根大医学部
乳児の頭の形を矯正するヘルメット
気になる点があれば早期の相談を呼びかける君和田友美・小児脳神経疾患治療センター長=出雲市塩冶町、島根大医学部
乳児の頭の形を矯正するヘルメット
乳児の頭の形を矯正するヘルメット
赤ちゃんの子育てが始まると、気になるのが頭の形だ。就寝時の体勢で変形することがあり、まれに病気が原因となる場合も。放置すると発達に影響する恐れがあるため、島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)は本年度、「赤ちゃんの頭の形外来」を開設した。頭のゆがみの原因を調べ必要に応じて治療につなげる。(吉田真人)
乳児の頭の骨は軟らかく、形が変わりやすい。頭のゆがみは9割以上が寝る向きの癖による。あおむけ状態が長いと後頭部が「絶壁」になったり、横向きだと側頭部が平らになったりする。母親の胎内で同じ方向ばかりを向いていたためにゆがむこともある。
睡眠ではなく、複数で構成する頭蓋骨の接合が早過ぎたために変形する「頭蓋縫合早期癒合症」や、髄液が頭に過剰にたまる「水頭症」といった病気の場合は早期治療が必要になる。
島根大病院は今年5月に「小児脳神経疾患治療センター」を設立し週1回、赤ちゃんの頭の形外来を始めた。頭の長さを測定してゆがみの状態を確認し、エックス線検査で病気かどうかを調べる。病気でなければ発達に影響はなく就寝時の癖への対処法を指導する。
君和田友美センター長(48)によると、見た目が気になる場合、変形していない方を下にして体を傾け、背中に枕やタオルケットを敷いて体勢を固定する▽保護者が起きている時にうつぶせで過ごさせる「タミータイム」を設ける▽頭部を丸い形に矯正するヘルメットを装着する-などで改善につなげる。
矯正ヘルメットは生後4~6カ月ごろに使用を始めると最も効果が期待できるという。乳児の頭に合うようオーダーメードし、入浴時などを除き常時装着。成長に合わせてヘルメットの大きさを調整しつつ、4~6カ月程度かぶる。
ヘルメットは保険適用外で40万円以上かかる上、山陰両県内に対応可能な病院がなく、両県外に出向いて対策を講じる人が多かったという。赤ちゃんの頭の形外来では対応し現在、10件近くのオーダーがあった。
頭のゆがみの原因が病気かどうかは、エックス線やエコーで詳しく検査する必要がある。早期発見できれば負担の少ない手術で対応できる可能性がある。君和田センター長は生後3~4カ月ごろまでの受診を勧め「少しでも気になることがあれば相談してほしい」と呼びかける。
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赤ちゃんの頭の形が気になる場合、島根大医学部付属病院が開設した「赤ちゃんの頭の形外来」が頼りになります。早期の相談や検査を受けることで、適切な対処法や治療が行われます。赤ちゃんの健やかな成長のためにも、気になる点があれば積極的に相談しましょう。
赤ちゃんの頭の形外来では、まず頭の長さを測定してゆがみの状態を確認します。必要に応じてエックス線検査やエコー検査を行い、病気の有無を判断します。病気でない場合は、就寝時の癖への対処法や頭部の矯正方法などを指導します。
矯正ヘルメットは生後4~6カ月ごろから使用を始めると効果が期待できます。成長に合わせてヘルメットの大きさを調整しながら、4~6カ月程度かぶることが推奨されています。
はい、病気が原因で頭の形にゆがみが生じることがあります。早期に病気の有無を確認し、必要な治療を受けることが大切です。少しでも気になることがあれば、早めに相談しましょう。